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zoom RSS 十五夜 と 十三夜

<<   作成日時 : 2005/09/17 23:12   >>

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9月17日の夕方の空には明日の十五夜に
負けない位きれいな月が出ていました。
暑さ寒さも彼岸までの言葉のとおり、
この二・三日、東京も涼しくなり、
毎日、クーラーを点けていたのが嘘のよう、
彼岸花もまだ赤い花は開いていないけれども、
薄緑色の筆のような姿の蕾を何本も見る事が出来ます。

ここで河竹黙阿弥作「三人吉三」のお嬢吉三のセリフから

  月もおぼろに 塵まみれ、ネオンも霞む 秋の空
  つめてえ風も ほろ酔いに、心持ちよく うかうかと
  浮かれ烏がただ一人、ねぐらへ帰る 道すがら
  ちょと立ち寄り 生ビール、こいつがあるから生きられる

  ほんに明日は十五夜か

  西の空より 闇のなか、落ちた夕日は厄落とし
  泡のしぼんだ生ビール,グイと一杯 飲むうちに

  これで,明日は縁起がいいわえ、

河竹登志夫先生、ごめんなさい

『十五夜』というのは旧暦8月15日の満月の日で
その28日後の旧暦9月13日の名月の日を『十三夜』と言います。
今年の十五夜は9月18日(日曜日)で、
十三夜は10月15日(土曜日)、満月の日は10月17日です。
今年の10月17日の満月の晩には夜8時半頃から始まり、
9時頃には欠ける部分が最大6.8%という部分月食があります。
8月15日の十五夜の満月にたいして、
十三夜の名月は「後の月」「豆名月」「栗名月」と呼ばれます。

十五夜の月を見て祝う習慣は中国から来たそうですが、
 『十三夜』は菅原道真を重用した宇多天皇(867〜931)が
旧暦9月13日の晩に見ていた月に感激して、「無双」と賞し、
「名月の夜」を定めたと藤原宗忠の日記『中右記』に書いてあります。
十五夜の満月よりも、十三夜という少し欠けた月に美を見出した所に
「わびさび」に通じる日本の美意識の原型を見るような気がします。

ももしきの大宮ながら八十島をみる心地する秋の夜の月 『躬恒集』

 宇多天皇の息子 醍醐天皇(885〜930)の作った歌が
 日本で十三夜を歌った一番最初の歌と言われています。

江戸時代頃から、庶民の間にも
旧暦の9月の名月を祝う習慣が出来ました。
しかも、十五夜を祝った時は十三夜も祝わないと
『片月見」といって縁起が悪いそうです。

樋口一葉の『十三夜』にもこの事が書いてあります。

ふとした縁で、高級官僚に見初められて、
望まれて嫁に行った娘が亭主の浮気癖に耐えかね、
ひとり息子を家に置いたまま、旧暦の9月13日の晩に
実家に帰って来た所から,小説は始まります。
両親は十五夜・十三夜の晩に団子を作り、
ささやかなお祝いをしていました。
この団子を嫁に行った娘が好きだった事を思い出し、
娘の家に届けたいと思っている所に娘が帰ってきます。

『今宵は舊暦の十三夜、舊弊なれどお月見の眞似事に
 團子をこしらへてお月樣にお備へ申せし、
 これはお前も好物なれば少々なりとも
 亥之助に持たせて上やうと思ふたれど、
 亥之助も何か極りを惡るがつて其樣な物はお止なされと言ふし、
 十五夜にあげなんだから片月見に成つても惡るし、
 喰べさせたいと思ひながら思ふばかりで上る事が出來なんだに、
 今夜來て呉れるとは夢の樣な、
 ほんに心が屆いたのであらう。』と両親は喜びます。
樋口一葉『十三夜』から

「十三夜」は新派の芝居にもなりました。
この後、帰りたがたらない娘は「もう、戻らない決心だ」と打ち明けます。
父親は 『女がいつたん嫁に行き、実家に戻ってくれば、
     自分の生んだ子供には一生会わない覚悟がいる。
     我が子と呼べず泣くよりも、
     そばにいて不幸に泣いた方がましではないか』と諭します。

思い直して実家をあとにする娘は月がほのかに照らす道で、
人力車をひろい、今の鶯谷から駿河台の家に向います。
丁度、上野新坂上まで乗って来た時、
突然、車夫は「気が進まないから、降りてくれ」と言い出します。
十三夜の月明りで見た車夫は幼馴染の変わりはてた姿でした。

樋口一葉の小説は京都大学の電子図書で読む事が出来ます。
画面が横文字なので読みにくいのですが
HTML と PDFファイル と二つの方式です。
PDFファイルのほうがルビ付きで読みやすいです。

http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview.cgi/BB00000022/Contents/hi_cont.html

『十五夜』の月を見て思い出した歌

木のまより もりくる月の影見れば 心づくしの秋は来にけり
               「古今集」 読み人知らず

花と言えば桜、桜と言えば西行ですが、
西行は月の歌を沢山詠んだのでも有名です。
秋の風を聞くとしばらく、ブラームスが聞きたくなり、
西行の「山家集」を読みたくなります。
西行の月の歌は失恋や追憶の歌もありますが
孤独の中に心の平安を求めた歌が多いです。

玉にぬく露はこぼれてむさしのの草の葉むすぶ秋のはつかぜ
わづかなる庭の小草の白露をもとめて宿る秋の夜の月
行くへなく月に心のすみすみて果てはいかにかならんとすらん
            「山家集」  西行(1118〜1190) 

この歌を読んでいると3年ほど前、立松和平作「道元の月」を
歌舞伎座で、坂東三津五郎が演じた芝居を思い出します。

『十三夜』の歌から

さらしなや姨捨山に旅寝して今宵の月を昔みしかな 「能因集」
                 能因法師(998〜1050?)

こよひはと所えがほにすむ月の光もてなす菊の白露
雲消えし秋のなかばの空よりも月は今宵ぞ名におへりける
              「山家集」  西行(1118〜1190) 

名月や銭金いはぬ世が恋し  永井荷風

粋なお姉さんのブログに載っていた「十三夜の歌」
http://blog.k-office.org/?day=20050808

河岸の柳の 行きずりに
ふと見合せる 顔と顔
立止まり 懐しいやら 嬉しやら
青い月夜の 十三夜

夢の昔よ 別れては
面影ばかり 遠い人
話すにも 何から話す 振袖を 
抱いて泣きたい 十三夜

空を千鳥が 飛んでいる
今更泣いて なんとしょう
さよならと こよない言葉 かけました 
青い月夜の 十三夜
以上

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